やさしい生活

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湯を沸かすほどの熱い愛という、親子関係であるべき姿をみた

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Amazonプライム狂のねぐぼーです。

何も無い日には映画の1つでも見たいものです。この日は前から赤く力強いタイトルが気になっていた『湯を沸かすほどの熱い愛』を視聴しました。

 

最近、ドラマで話題だった花ちゃんが出てるし、宮沢りえが主演で、オダギリジョーも…見る前から安心感がとてつもない。

とミーハー心丸出しで見たところ、とんでもない家族愛に満ちた映画で、母親の姿があまりのもかっこよかったため感じたことを4つに分けて残しておこうと思います。

 

 

 1.全力で子供に立ち向かう母親像

〇誰の課題かをハッキリとさせる

同級生にいじめられる長女、あずみ(杉咲花)。

机を蹴られたり、絵の具を制服にたくさんかけられたり、制服を隠されたり…目に見えていじめられている。

 

ここで家族であるならどう接するのが正解なのだろうか。もちろんこれは映画であるし、現実のいじめ問題はもっと複雑であると思うが、母である双葉(宮沢りえ)の心持ちはとても共感できた。

 

外敵から守ろうとするのではなく、あくまで自分の問題は自分から切り開かなくては何も解決しないのだと、強く訴える。
子供は、1回守って貰えれば、自分ではなく周りに頼り、守られなければ周りのせいにしていたかもしれない。
そうだこれは自分の問題なのだと自覚した、させたのです。

この映画ではいじめではありましたが、自分の問題は自分でしか解決出来ないと教える姿勢はとても感銘を受けました

 

〇幸せに大切な貢献感

蒸発して浮気した相手との子供、あゆこを連れ帰った一浩(オダギリジョー)。

あゆこは母に置いていかれ、一浩と暮らしていた日々でしたが、突然見ず知らずの家族に迎え入れられて困惑していました。

しかし双葉は、まるで当たり前に家族のように扱うのです。

 

うちで家族になるならば、働かざるもの食うべからず。

休んでいた銭湯の再開のチラシ配り、銭湯の掃除など一緒に働いているシーンがありました。

 

辛いからこそ甘やかすのではなく、同等の扱いをすることがあゆこにとっては大切なことだったと感じます。与えられてばかりいると感覚が麻痺しますし、とても申し訳ない気分になります。

 

労働対価にしろなんにしろ、自分が組織(ここでは家族)に貢献実感があることがとても大切なのです。
労働を通して同じ苦労を味わい、同じ喜びも味わう。そうしてひとつ屋根の下、家族になっていくのではないかと感じました。


2.どうしようもない若者にもぶつかる母

 

娘ふたりと旅行に出かける双葉。

あるパーキングエリアでヒッチハイクをする若者、拓海(松坂桃李)に車に乗せてくれないかと頼まれ、押しに負ける。

実は拓海は親子関係が不安定だがお金には困ってはなく、時間だけはたっぷりとある若者だった。このヒッチハイクもどこに向かうわけでなくふらふらと旅をしているらしい。

 

双葉は最低だと吐き捨てるが、強く抱きしめ、日本の最北端でも目指したらと提案。どこに向かえば良いか分からない若者に、答えではなく、助け舟のような目標を与える。目的は自分で探しなと言わんばかりの。


どこにぶつけよいか分からないエネルギーに溢れている若者は多いと思える。それがある意味目標を貰えたら、いずれ自走しだし、目的のある人生を歩み出せるのではないかと感じました。

 

今の時代、なんでも好きにしたらいいよと言ってくれる親は増えたように思いますが、全く何も知らない所から目的を見出すのは難しいと思います。

並走しながら、小出しに目標を設定できるような関係性が必要なのかもなと。

 

3.親子関係ってなんだ


奇しくも、この映画では父親が蒸発したことで、母親の大変な姿を目の当たりにし、私たちがいるこの環境はとても当たり前ではないのだと気づく。絶妙なバランス感覚の上に成り立っていたものなのだと気づく。
進んで家事を手伝うようになり、自分も何か出来ることはないかと模索し出す。
離婚や別居などの環境は精神的自立へはとても近い1歩なのではないかと私は思います。


しかし、両親はいた方が経済的にも、父親母親と両面的に違う感性を教わることが出来るため、いた方が良い。
では、両親がいながらも精神的自立を促すにはどうすればよいのか。この問題を考える必要があると思うし、自分に子供が出来たら徹底的にこの部分を試したいと考えています。


これみよがしに今いる環境は当たり前ではない、私たち両親のおかげであるのだと言いたいのではなく、気づきを得てほしい。
ときどき、あなたは誰のおかげで生活できているのだとか、そんなに反論するのであれば経済支援をやめる、などと圧倒的な弱みに漬け込み、意見の交換をやめる親がいるそうです。

それでは子供は納得をしない。なぜなのか、を教えることが出来る親になりたい。

 

 

最後に、この映画のおかげで、自分から周りに無償の愛を抱き続ければ、血が繋がっていなくとも、家族になれるのではないかと希望が持てた。
家族という形をした上下関係がとても嫌いだから。幸い私の家族は恵まれています。
父親がいないが、皆自分の道を歩んでいるし、自分がやっていることを言ったら心から応援してくれるし、信頼をしてくれている。
性善説を信じていられるこの家族であればこれからもずっと上手くやっていける。
そんな人を周りにどれだけ増やせるだろうかと、日々模索しています。

 

4.心に残っているセリフ

「あの人のためならなんでもしてあげたいって思うっていうか。多分それって、その何倍もしてもらってるって思えてるからだって。
多分みんな、心からそう思ってるから。」

 

自分を滅ぼすほど尽くすのは違うと考えているけれど、いつだってこう思われるような人に憧れています。